Diario Olfattivo – Simone Andreoli
まるで画家にとってのキャンバスや
ミュージシャンにとっての譜面のよう
に、忘れる事の出来ない旅の記憶、
遠い異国の思い出を一つ一つの香水
の中で再現する。そうやってSi mone
Andreoliの香水は、それぞれの香り
の構成が決定づけられている。日記に
は、様々な香りがそれぞれの土地の歴
史や記憶、感動へと繋がり、自分にと
って思い出の場所となった世界各地
の街角を巡る旅の遍歴が綴られてい
る。日記では、香水が主人公。
香水は、忘れていたビーチやウォール
ストリートの喧騒へと私たちを再び連
れて行ってくれる香り、言葉と回想が
溶けて交わった香りが織りなす物語
の語り手なのである。世界各地の都市
で生活する私たちは、自己表現の為
や自分を飾る為、或いは創造力精神
の高揚の為など、あらゆる局面で人そ
れぞれのアイデンティティーの確立の
為に今日も香水を纏うのである。