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Akira Fujimoto – Contemporary art

藤元明は、主として東京で活動を行う現代芸術家である。彼は、社 会現象や環境問題に焦点を当てた様々な表現活動に従事してい る。

2019年からは、陸上に打ち上げられた海洋ごみ(海洋プラスチ ック)をモチーフにした、アートプロジェクトや作品制作を行ってき た。

日頃、彼が拠点としているのは東京のスタジオだが、海洋ごみか ら作品を制作する時には、海ごみが堆積している海岸で作業を行 う。

リサーチと野外作業は彼にとり重要であり、地図には記されていな い海洋ごみの堆積スポットを、Google Mapsなどの衛星画像から捜索 する。
実際に、時には道無き道を行き、またある時には、足場の悪い岩場を 長距離歩いたり、さらには、スタンドアップ・パドルボートを漕いで海 からビーチに辿り着いたりと、到達困難な場所へ自ら出向いている。その際、海岸では、海洋ごみが自生植物に組み込まれ、生態系の一 部となっていく様子を、これまで何度も目にしてきた。
人間社会から溢れ出た海洋ごみは、国境を越え何千マイルも漂流 し、やがて海岸に漂着する。

しかしながら、それらはアクセスしやすい ビーチには堆積していない。なぜなら、人々は観光地として人気のビ ーチは、優先して清掃し続けているからである。

その為、藤元明は視 点を変え、制作道具を携え到達困難なビーチに出向き、大量の海洋 ごみから素材を集め、その場所で作品を制作するようになった。

その 場で出来る限り創作活動を行い、溶けて硬くなった作品のみを東京 のスタジオに持ち帰る方法を取っている。

大量の海洋ごみを運搬す るより、そちらの方がはるかに合理的であり、作品の為の素材の選択 肢がより多くなるからである。
作品の制作工程:
1. 制作道具を海岸に持ち込む。
2. 海岸の斜面に平面の焼き場を作り、海洋ごみを収集し、処理しや
すいように細かくカットする。
3. それらを鉄板の上に並べ蓋をする。熱した炭で、それらを溶かし
圧力を加え、ホットケーキのように一枚の板状にする。
4. それらを東京のスタジオに持ち帰り、表面を削り、積層状になった
プラスチックの質感を掘り起こし、磨きをかける。

大きな作品を制作する時には、ビーチで制作したパーツを協力関係にある工場へ持ち 込み、大型の機械を使い、熱と圧力を加え溶かしたパーツを、一つの大きなパーツへ
と変える。これらの作品は、ギャラリーの壁を飾る絵画として提案される。加えて、同じ 素材の再利用によって、神話に登場するバベルの塔をイメージさせる塔のインスタレー
ションを創作し、“Babel of the Sea”と題したアートプロジェクトを各地で行っている。

彼 は、世界の海ごみの状況を、消費やサービスが氾濫する現代社会の象徴と捉え、多種 多様なエネルギーの塊として、アート作品を提案しているのである。

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